所長コラム 8月号
[ 金利のある世界へ ]
オリンピックが始まり、日本人選手がプレッシャーに負けず、粘り強くメダルを獲得しています。試合は日本時間で夜中のため、目覚めればメダル獲得のニュースが目に入り、気持ち良い朝を迎えています。別の面で、私の近辺では猛暑が続いていますので、高齢で体が弱っている方が、不幸にも多くの方が亡くなり、通夜・葬儀が続いています。暑さがまだ続きますので、体調管理が大切です。またコロナ感染者も増えています。気をつけましょう。
7月31日、日銀の金融政策決定会合で、政策金利の引き上げが決まりました。短期金利の誘導目標を0~0.1%程度から0.25%程度へ。15年7ヶ月ぶりの水準となります。15年前に20歳だった者は今は35歳、金利があることを知らない世代が「金利のある世界」へ突入の始まりとなりそうです。大手銀行で普通預金の金利が0.02%(昨年は0.001%)から5倍の0.1%。企業に短期資金を貸し出す際の基準となる金利(短期プライムレート)を、0.15%引き上げ1.625%と発表しています。短期プライムレートは17年ぶりの引き上げです。借入金利が0.15%上がると、1,000万円の借入で年15,000円増、1億円の借入で年15万円の金利増となります。借入金利は、すぐには上がらないと思いますが、大企業は内部の賃金アップ、利益の確保を図るため、仕入・外注先には厳しく、消費者の販売価格を下げることはしないと考えますので、小規模企業や消費者など弱者は、物価高も続き厳しくなることが予想されています。私見ですが、0.15%増ですと、まだ大きな金利増でないと思いますので、先を考え、事業計画を立て実行していくことが重要かと考えます。サービス・物の価額、賃金はアップしていきますので、時間当たりの生産性を高める必要があると考えます。人の作業(生産)時間は短く、売上高を上げていく。無駄な時間を省き、付加価値を上げる。作業は自動化。常日頃考え、改善していくことが重要です。一日の仕事内容の分析も必要だと考えます。「金利のある世界」「賃金が上がる世界」「物価が上がる世界」へ突入とのことですので、バブル崩壊、失われた30年から脱却し、新しい力を創る時かと感じます。今は生活感は変わってきましたが、「結婚して家庭を持ち、家を持つことができる。子供に十分な教育ができる」が基本かと思います。経営者を含め、社員全員がです。そのためには、何をするか。ビジョンを持ち行動すること。
浜磐信高林支店北信会「勉強会」で、米国シリコンバレーにある、スタンフォード大学の客員研究員となった職員さんの講演を聞きました。自動運転タクシー、トラックもありましたが、最も印象に残ったのは、製造業で手作業の企業があるとのことでした。米国では、自動化(ロボット)が進んでいると思っていましたので、驚きです。社員はメキシコ系移民だそうです。人件費は日本と比べ高いが、英語は話せない。行って目で見ること大事だと思いました。行くには、時間とお金が必要だ。
髙林幸裕
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